[温泉(貸切)] 森久保乃々 :
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : それなりに広い、露天の浴槽。
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 彼女は
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 今ここにいるのは、たった二人だけ。
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 待っていたように、湯船の端に座っている
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 黙々と身体も洗い終え、湯船に浸かる。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「…………………」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…森久保ちゃん」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「今日は」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「……はい」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「"私と一緒で"楽しかった?」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「はい」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 言葉は無い
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : でも
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 嬉しそうに、彼女を見つめる
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「ね」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「さっき、どう言ってくれるつもりだった?」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「……………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 私は、
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : ………言いたい事はもう決まっている。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : ただ、今ここで私に足りないのは………
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 少しだけ、少しだけ…………
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 私は今も戸惑い、躊躇いを隠せないでいる。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : それでも、
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 『──』を、隠せないでいる。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : ………巴さんがどんな答えを返すかは、私にはわからない。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : でも巴さんなら、絶対に、真摯に受け止めてくれるはずだから。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 今、始める。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 必要なのは、小さな歩幅。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : ……今なら、
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 小さいけど、勇気が湧いてきたから。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : ──進むんだ。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「……………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「その…………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「聞いて、くれますか…?」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…うん、勿論」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 進むんだ
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「私は……あの時…………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 進むんだ
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「その…………」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : ゆっくり頷き、聞き入る
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 進むんだ
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「……………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : ────
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「私は」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「巴さんのことが」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : ────────
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「好きです」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 驚きが、先に来た
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 言っちゃっ、た。
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 喜びとか、そういうのは整理がついてからで
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : でも、反射的にしたのは
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「森久保ちゃん」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「……はい」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : ゆっくりと歩み寄り
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 彼女を優しく、抱擁した
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「……………………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「………っ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 彼女の熱で、浮かれる頭が
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 言葉を整理して、よくわかった
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : ああ
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 私、大人で、31歳で、女なのに
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 嬉しいと
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「森久保ちゃん…」
[温泉(貸切)]
巴マミ(31歳) :
「…いいの?」
やさしく囁く
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「………はい」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「はい」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「私は、もりくぼは」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「あなたのことが好きです」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…一回りも、歳上で」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「大人気なくカッコつけてて」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…こんな時、こんな聞き方しちゃう」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「それでも、私は」
[温泉(貸切)]
巴マミ(31歳) :
「貴女にとって、良い人だった、のね」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 少し、震えて
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : なんだか、とっても不思議で
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : そして、甘い
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「森久保ちゃん…」
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
巴さんは、そんな人じゃない。
巴さん自信が言ってる事だとしても、それは違う。
本当にそう思ってる、だから今言わなくちゃいけない。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : だけど今は………いや、これは今すぐに
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 今すぐに
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「巴さんだから、好きなんです」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「そんな巴さんだから、好きなんです」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…ぅあ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「……」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「その」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「私は、巴さんが好き」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「……私も」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「大人とか、そういうの、無しで」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「真摯に、応えると」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「……はい」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「……好きに、なっちゃうわ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 目を閉じて、彼女をさらに抱いて
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「………っ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「私は、ね」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 身体を強張らせた緊張が、その時ほぐれる。
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「憧れちゃって、ずっとそのまんまだったの」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「素敵な恋とか、そういうの」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「……はい」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「もう、十五年ちょっとも前に諦めてたはずなのに」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…こんな」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「夢が、叶っちゃうと」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「ふふ、不思議、なんだか」
[温泉(貸切)]
巴マミ(31歳) :
「涙が、出て…」
ポロポロ、溢れる
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
緊張がほどけた身体を
───弱いけど
しっかりと力を入れ直す。
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
自身を抱き締めてくれたその腕に返すように
私の身体を抱き入れたその身体を
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : しっかりと、抱き締める。
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…森久保ちゃん」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「…はい」
[温泉(貸切)]
巴マミ(31歳) :
「…好きよ」
すっと、声にする
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : まだ、堪えなきゃ。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 今は、まだこれは……
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「貴女は今日、ね」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「ずっと優しくしてくれてたもの」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 目に少し、力を込める。
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「私は」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「お節介とか、そんなつもりだったけど」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「本当は、純粋に仲良くしたい、記憶にも残したかった」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「…………」
[温泉(貸切)]
巴マミ(31歳) :
「貴女は素敵な子だったわ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「今日、いっぱい頑張ってくれた」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…思い出すだけで」
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
「そんなこと…ないです………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「もりくぼは……巴さんがいなかったら……今日、何も………」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「それだけでも、好きになれるような事だったのよ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…ふふ、それ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「私に、良いところ見せてくれる為、だった?」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 申し訳なさと、それと同時にあふれでてきた想いで、思考が奪われそうになる。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「あ……あう…………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「わたしは……………」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「うん」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「巴さんが優しいから……そんな巴さんが好きだから…………」
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
「今……凄くうれしい…………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 『本当は、純粋に仲良くしたい、記憶にも残したかった』
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「巴さんが、本当に思ってた事、聞けて……」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「もりくぼは………もりくぼは…………」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…ふふ、恥ずかしいのよ?」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「大人は、本当のこと言うのが下手だから」
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
「はいぃ………だから……………それもうれしい…………です」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「……あう……うぅ………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「………うあ………ぁ…っ……………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 目に込めていた力が緩む。
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…森久保…いや」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 塞き止められない
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「乃々ちゃん」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「私は大人で、でもわがままなまんま」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「だから」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 目元が弛む。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 涙が
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「ぜーったいね、もう、離さないわ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「私、ずっと夢見てて」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「貴女が叶えてくれた、だから」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「好きよ、乃々ちゃん」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「好きにさせてくれた人だから、好きになった人だから」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「わた……っ………わた、しも……………っ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…大丈夫」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「大人だって泣くんだから、好きに泣いてもいいの」
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
この感情はもう止まらない
全身からあふれでるのを止められない。
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「どんなに時間をかけても」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「今日という日を待っていた時間に比べたら」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「貴女の声を待つ時間も愛おしくなる」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : そんな事を言ってくれる、そんなあなただから、私は好き。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : だから、これだけは………
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : しっかり、言わなきゃ
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「あっ………あう……ぅ………っ………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「………っ………っ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 抱きしめる彼女の顔を覗く
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
「す……っ………………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「私も……」
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
「すきで、す………………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「…………っ」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「………………マミさん……っ……」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「………うぁ…………」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「あぁ………ぁ……………」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…ふふ、ふふ…」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「ぁぁぁああああ………………」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「乃々ちゃん」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「約束するわ」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 衝動的に、マミを強く抱き締める。
[温泉(貸切)]
巴マミ(31歳) :
「ずっと一緒」
そんな彼女を、抱き返して
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「私はずーっと」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「ずっと貴女といるんだから」
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
嗚咽混じりの、声になっていない声を返す。
何度も、ゆっくりとうなずく。
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「私はね」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「大人で」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「女の子で」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「そして、巴マミなの」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「わがままで、ちょっと賢くて、夢も見る」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「だから、ずっと…絶対に」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「貴女がどんなに不安でも」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「離れない、離れてあげない」
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
「……っ」
その言葉に対し、言葉も、何も返さない。
返せない。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : ただ今は、自分の意志が伝わるように、
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : その腕の力を強める
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 目の前の彼女を、しっかりと
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 全身で掴む。
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…お風呂、早めに上がりましょ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「お部屋で、多分お布団敷いてあるから」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「今日は一晩、まずずっと一緒」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「明日も望むなら、ずっと」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「私はそこにいるから」
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
「………」
こくり、と
力なくうなずく。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「は、い……」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「いっしょ…に…………」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : ぐっと
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「これから………」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 彼女をお姫様抱っこして
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「……これから、も」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…ええ、これから」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「ずっと……ずっと…………」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…ずっと」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「…ずっとね、一緒よ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「私が決めちゃうから」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「はい……私も……」
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 「……離れません」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : そのまま
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : そう宣言してくれた彼女に
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 穏やかに、でも情熱的に
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 「好きよ」
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 軽く、口づけを
[温泉(貸切)]
森久保乃々 :
驚かなかった
と言えば絶対に嘘になる。
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : でもその口づけを
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : 私は動じることなく
[温泉(貸切)] 森久保乃々 : しっかりと、受け止めた。
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : …甘い、甘い味を
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 忘れないように、そして
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 覚えてもらうために
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 触れ合う温もりを抱いたまま
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) : 二人の部屋に、静かに戻っていくのだった
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) :
[温泉(貸切)] 巴マミ(31歳) :